小生田淵がよく喋る2023年10月 2023.10.22 UP
Ninth Peel nextツアーが始まる。
今年4月に出した9枚目のアルバムのツアーの全国2周目、という名目で説明するようにしている。
「その年にふさわしいツアーをする」と「最新アルバムの曲を全部やる」は必ずしも一致しないのが僕の持論だ。
だって新曲全部やると他の曲の枠減っちゃうじゃん。それだとその年に1番かっこいいセットリストは構築できないのよ。
じゃあ曲増やせばよくね、というとそうでもなくて、最適なロックバンドのワンマンの尺というものはあるとも思ってて、記憶に新しい曲の総量が増えるとこれまたドラマが作りづらいのよ。
新しいのもいいけど、古い曲も当たり前のようにやりたいのよ。客だってどの時代の曲にも思い入れがあるやつはいるし、そもそも「ハイ新曲です」って大量にドーンと披露されても、みんな覚えてくれてるわけじゃないの。
どの時代の曲にも分け隔てなく、それでいて新鮮な形でセットリストは作れるのよ。センスが要るけどね。
「新しい曲が必要」みたいな考えに縛られなくていいし、「アルバムを出したらツアーで全部やるのが正しい」ということにも疑問は持ってる。
なのでアルバムツアー、そして新鮮な気持ちでできるツアーを両立させるのだ。2023年ニューアルバムを出して、この形で2周目のツアーができることをとても嬉しく思っているのである。ロックバンドのあるべき形。
今回もすこぶる面白い。長く続けるとこんなことができるのねと期待は膨らむばかりだ(グング〜ン)。
毎ツアー面白くてしょうがないよ。我々は勝手に振り回して帰るだけなので、君も気楽に来て勝手にブチ上がって帰れ。
さて、今回も現時点における感染症との向き合い方に関して振れねばなるまい。
今回のツアーは
「マスクの着用は個人の判断に委ねる」
という取り決めにした。
これはメンバーの強い意志で、というよりかは全体的な目線でここが落とし所ってことにしようよとなった次第だ。
まず僕の立場で先に言っておくと。
新規感染症が”終わった”とか”明けた”とかいう言葉には非常に違和感というか反発心が、ある。
「気にせず声出しガンガンしていきましょう」みたいなここ数ヶ月の流れも、同意しかねる。
「風邪のある社会が戻ってきて、おまけにタチの悪い風邪がラインナップに加わったのでよろしくな」ということが前提にあると思うんだけど、それの説明がどこもかしこも基本的にない。
まあどうしたってかかっちゃうものはしょうがないから受け入れていきましょうやという空気なんだろうし、僕も概ねそれでいいと思っているのだが、説明をしないのは個人的には不本意だ。
いくらか防ぐための努力はできる。ここ数年せっかく学んできた知見をわざわざ放棄することもないんじゃないの、という所感だ。
踏まえて。ここに改めてまとめておく。
●歓声があがることは良いことだ
まず最初に書いておきたいのだが、歓声があがるというライブ空間はとても美しい、と思う。
なのでこれを読んで「歓声をあげるのはやめよう」となる必要は全くないので、誤解のなきよう。
では始めます。
●風邪はうつる
少なくとも今回、ライブ会場における感染症対策において2020年以前のものと同じにするのだが、僕が以前にも言った
「風邪をひいてるやつが大声を出すと風邪はうつる」
この超絶大前提を理解した上でもろもろを決めている。
ここをおさえるために過去には発声禁止、そして基本的には換気とマスクというものが対策としてあった。なのでマスクをしてれば風邪の伝播はちょっとは防げる。
ならしないよりした方がいい、のか?
ここが個人の判断で分かれるところだろう。
もし本当の本当に健康体な人がいたとして、まあその人は大きな声出していいんじゃないのというのはもちろん思っている(ただ、それを証明する手立てはおそらく存在しない)。
●心の自由度はどうか
マスクをすることで心の自由度が下がるという人もいるだろう。それも理解したい気持ちはある。
なので色々加味した上でしたくない人はしない、したい人はする。そういうルールに我々は今回からしますよということなのである。
ただ、タチの悪い風邪がまだ存在するのも事実だ(なくなるなんてことあるのか?これ)。風邪をうつりづらくすることと大勢が集まって声を出すような場所というのは、非常に相性が悪い。
とはいえ、これまでの知見をもとに常識を掛け合わせていくことでこのルールの中でもリスクを多少なりとも下げることはできるのだ。勉強してほしい。
●基本的かつ常識的な風邪対策
大雑把にまとめると
①なんか体調が悪い気がするなら声は出さない
②マスクをつけたい人は、つけることを躊躇わない
こんな感じ。
声を出さなければ風邪は抜群にうつりにくくなるのだ。本当に体調が悪いなら来ないというのも尊敬に値する(お金も返してあげたいが、そこはシステム上無理かもしれない)。
また「なんか外さないといけない気がするから」というのはとても愚かだ。つけてて悪いことなんかない。
もちろんこれで完全に防げますってわけじゃないので、より強固なものにしていくには「全員喋るな」の世界に突入していくことになるのは、わかりますよね。
ちなみに僕は昔は違ったけどライブ会場が混んでたらすぐマスクする派です。後ろで踊って「ヤー」って言うだけなので特に不自由はない。
風邪ひいたらしょうがないか、のやつもいれば、絶対にひきたくないやつもいるだろう。
だから対策はあった方がいい。
そのあたりの常識をおさえてくれてんなら、あとは自由でいいと思うよ。
●別に「声を出せ」とは言ってない
なので声出そうが出さなかろうが自分の自由でいいと思うんだけど、「ライブは声を出すから最高」みたいなのはいつから根付いたんだろうなという気持ちもあったりする。
そりゃ歓声ってステージの人は多分元気が出るけど(グング〜ン)、「オレ歓声あげるガラじゃないよ〜」って人もいるでしょうに押し付けるみたいにしないでいいと思うんですよね。
まあ歓声あげたい人はあげてよ。ステージの人は元気がでるし(グング〜ン)。
とはいえ義務感があったらおかしいよねという話。
声出さなきゃとか手を上げなきゃとかみんなに合わせなきゃとか、マジでロックバンドのライブにとって1ミリも必要ないのよ。
かっこいい音楽聴いてブチ上がってる自分を君が見つけられればそれでいいの。
長くなったが以上が「マスクの着用は個人の判断に委ねる」ことにあたっての経緯と指針の説明である。認識はそれぞれだろうから余計な諍いは起こさず各々うまいことやってよ。
まあ結局は我々がすごいライブやるだけだから気楽に来てブチ上がって帰ればいいよ。
健やかに行きましょうや。
それではまた。小生田淵がよく喋る2023年9月 2023.09.13 UP
すっごい遅くなったけど、Ninth Peelツアーが終わった。
今回も長く続けたロックバンドならではの仕掛けとセンスで発見の多いライブが作れたと思う。映像作品どっかで出るから見てみてよ。
さっと行って、派手にやって、さっと帰る感じ。これなんだよな。
余計なもん要らんのよ。おまけでまたどっかで会えたらあまりあるハッピーじゃんね。ヤッピー。
アルバムも9枚出した。次のことはいまだになんも考えてないけど、とにかくライブを派手にやり続ける生き物としてロックバンドは続いていく。
19年。見えてきた。大きな節目が。
変わらずただライブをやって派手に行く。それが一番ハッピーだからね。
ヤッピー。
そんな中新曲のリリースが発表されてしばらく経つが(忘れるんじゃないよ)、その話を改めてしっかりとする。
いけないfool logic。
アニメ「鴨乃橋ロンの禁断推理」のOPテーマである。
「アルバム出し終えた達成感でもう貯蓄ゼロでしばらくは何も出ませんわ…」くらいの中年いやいや期に突入している最中にひょともらえた話だったので、「立ち上がるか俺の心」と伏伏恐々(読み:ふせぶせきょうきょう 造語)としていたのだが、ディレクターやアニメチーム皆様と話すうちにおぼろげながら書くべきものが見えてきた。中年よっこらしょ期に突入である。
ここまでキャリアを続けると曲を書くチャンスをふともらえるのは嬉しいね。
そうこうして書き上げたユニゾン史上類を見ないハッピーな楽曲をどの様に世の中に出すのか。今回はその話をする。
「CDを買ったやつが誰よりも早く聴ける」
の巻。
発売は9月27日。
普通10月から始まるアニメのテーマソングは10月以降になるのが一般的だ。それを9月に発売する。
つまりはアニメ放送第1話として楽曲がOAされる前にCDとしてリリースさせてもらえることになった。
快諾してくれたアニメチームの方々には感謝が絶えない。ちなみにサブスクもアニメ第1話の放送後にスタートになるので、つまりはCDを買ったやつが誰よりも早くこの「いけないfool logic」を聴ける様にした。
「CDなんていう時代遅れなものを」、と僕は必ず前置きをした上で、胸を張ってCDを作っている。
世は配信サブスク主流の時代で、今後も加速するだろう。海外英語圏ではデジタルの売り上げで十分過去より市場が儲かってる事実があるので(日本もだっけ?)、そんな嘆く理由も実はないんじゃないのということもあるだろう。まあ日本語音楽圏だとまたちょっと事情が違う気もするんだけど。
なんにせよ、基本的に時代に合わせて作り手は徐々に変化を遂げて今も音楽市場は華やかで元気なのだ(と思いたい)
なのでまあ、CDが過去のものとして廃れていってもいいっちゃいいんだけど、なんでか残っている。
理由としては、
・買ってもらって得られる利益が数字でわかりやすく、事実大きい。
・買う人の効用が確かに満たされてる(所有欲、特典あって嬉しい、等)
ということがあるのかなと思う。その他にもある業界構造の深いところのあれこれは自分で勉強して。
ということで作る側も一生懸命がんばるよということなのだが、ある一定のところで思考停止に陥っているんじゃないのとずっと思っている(自分にも言っている)。
なのでサボらず考えられる自分でいられるか、結果「出してハイ終わり」にならないようにトライをし続けられるか、というのも個人的に大切にしているつもりだ。
濃いファンの人が買って喜ぶものにするよ、素敵な特典があるよ、というのが作る側のがんばりポイントなのだと思うが、
今回我々は「わざわざ買った物好きが誰よりも早く聴ける」という価値をつけてみた。
今の音楽シーンではCDがリリースされる前に宣伝的に使われるタイミングで楽曲はキャッチできてしまう。
YouTubeにはMVがフルで流れるし、ラジオではフルサイズが流れ、サブスクも先行配信されるというのも割と通例である。
「じゃあCD発売日ってなんなの?もう最後まで知ってる曲を金出して買う意味は?」
という問いはみんな思ってそうだが議題としてもはや上げる人は少ない気がする。
多分宣伝としては機能しているので広く届くし、結果その方がCDが売れて利益も出ることもあると思う。
まあ、世の中がそう言ってんだからそうなんだろうよ。つべこべ言わず再生回数とライブで稼げ。
とはいえ。
CDを買ってもらえることに対しての喜びを適当にしていいか、というとまだ冷静になりたい自分がいるのが正直な話だ。
音楽の作り手が心を込めて作り上げた商品を、わざわざ一人の人間が買ってくれるのだ。こんな嬉しい報われ方はない、と作り手は思っているはずである(と思いたい)。
なのに当たり前の様にyoutubeやサブスクで出す。なぜって当たり前なので。
それで人気を出して利益に繋げるのが全くもって正攻法だ。何より時代遅れなので、CDという物体をリリースするバリューは高止まりというか低止まりというか、市場原理の中でおさまった印象だ。
日本はCDという物体が世界と比べて売れてる方らしい。それでももう先のない儀式的なものになっていると、個人的に思う。
そんな時代に生きているので考えたくもなる。
なんでかまだ残ってるこのCDという文化を使って、「買ってもらえる喜び」「買ってよかったという喜び」双方に対する実験と挑戦をもう少し続ける。
今日日インターネットさえあれば音楽には手軽にアクセスできる。物体などをわざわざ購入する必要はない。
月額1000円を払って100曲くらい聴いている延長で気軽すぎるワンタップで、誰かの音楽は手に取れる。それが我々人類が作ってきた音楽文化の行き着いた先なので、異論はないし、まあ概ねいい時代だと思う(ここは誤解なきよう)。
ただそんな中レーベルの人たちも含め我々が今回選ぶのは「CDを買ったやつが一番いい思いをする」という施策だ。
ちなみに今回もカップリングはサブスクにはない。なんとバンド史上初めてのバンド名義作曲という、物好きにぴったりの超面白い曲ができたよ。詳しくは雑誌かなんかで喋るよ(雑誌は良い)。
話が重複するが発売日の9月27日はタイアップアニメの初回放送よりも数日前である。アニメチーム皆様にはわがまま以外の何ものでもない相談をご快諾してくれた、超絶感謝である。いい作品なのでみんなで見よう。
アニメの宣伝で使われるみたいなのはあると思うけど、発売日まではどのメディアにも流さない、MVもYouTubeに出すのはアニメが放送されてからになると思う。ちなみにCDを買った人はMVも「誰よりも早く見れる」様にがんばって準備を進めている(Blu-ray付は間に合わない)。
別にこれで売り上げが上がることを期待しているわけではない。
「CDを買う」というのは物好きの行為、でいいのだ。その物好きを我々はどう大事にしたり生み出したりするのよ、という話。
だからその物好きが「買ってよかった」に少しでもなるようにもうちょいアタマ捻ってみましょうよ、それがエンターテインメントじゃないんですか、という気持ちもある。
買ったCDは聴くのが面倒、というのももうちょい考えてあげたいけどねえ。
「いつか息絶えるまで もうどうでもいいぜ順風なんざ」
(”いけないfool logic”より)
併せて、我々の最新アルバム「Ninth Peel」の全国ツアー2周目が10月31日から始まる(これ新曲表題セットリストに入れないとな流れか、悩ましいな)。
良いアルバムなので1年中ツアーをしている。今年2回目のツアーになるが、今回も頭を捻って会場セレクトから調整に調整を重ねファンクラブの人間には1公演当てるように整えた。今回もすごいスタッフワークである(みんなで褒めてあげてほしい)。
なんにせよ我々はライブで見ないとよくわからない団体なので、インターネットとか大型イベントで満足してないでライブには来た方がいい。
それではまた。小生田淵がよく喋る2023年3月 2023.03.10 UP
2020年から始まった新規感染症の深刻さと音楽ライブが人生にもたらしてくれる楽しさとの間でうまくやっていくために僕は「喋るな」ということを一貫して言ってきた。喋らなければ伝播は結構防げるからで、ほぼその基準の中で引き締めたり緩めたりしながら僕自身も生活している。間隔も消毒も大事なんだけど対策指標が異常に過剰な印象を受けるのもあって、これが一番重要だというスタンスを貫いてきたつもりだ。
さてその時代も長く続き、今世の中はその深刻さを過去のものとして再び制限の無いあの頃へ、「元通りに」という言葉を使い音楽ライブにもその流れが来る時が来たという肌感覚でいる。
要は「声出し」というものだ。
これについて散々対策をでかい声で言ってきたこともあって(文字で)、なんらか触れないわけにはいかないだろうと思うので、書く。
単刀直入にいうと「いやあ、許可出て良かったね」というのと「声出し無い方が楽しかったって人もいるよね」みたいな感じ。いろんな人いるから各々これからも自分の楽しみ方で居場所を見つけていきなよと、そういうところかしらね。
いい音楽で感情が昂って大きな声を出すとより体に感動が伝わってハッピーになるよね、多分。なのでまあ元通りになるというのはよかったねえという気持ちではいるんだが、人それぞれいろんな音楽の楽しみ方があるというのは当たり前だという共有はしておきたい。
というのもあって、声出しができるとなって、
「憎き禁止がやっとなくなった!俺たちは勝ったんだ!はい元戻しー!」
みたいな今の空気が個人的になんとも心地が良くない。
こっちはこっちで音楽を守りながら「この世の中もこんなに楽しめるじゃん」というのを作ろうとしてきたつもりなので、「あーやっぱそんな感じなんだ」と一抹の寂しさを感じているのかもしれない(声出しが永久になくなれと意味じゃ無いのであしからず)。
あんたがたこの3年間何考えてきたんだよという気持ちもある。
重要なことを確認しておく。
今回の新規感染症で僕も改めて深く学んだことでもあるのだが
「風邪ひいてるやつが大きな声を出すと風邪はうつる」
この事実は多分今後もずーっと残り続ける。何が終わったわけでもどこかで急に始まったわけでもなくて、昔から当たり前のことなのだ。一定のルールを課したことで風邪がうつりにくかった時期が終わるのだという、単純な話である。それが死を招くとかそういう過激な話をしたいわけじゃなく、風邪はひくよねという話なので大袈裟なことを言ってるわけではないのは伝わっていればと思う。だから体調悪いならライブは諦めて家出ないでねみたいなのは、これからも大事にした方がいいとは個人的に思う。
まあウイルスのことはそれくらいにするとしても、「引き続き人それぞれの楽しみ方があるだろうから各位慮りつつ折り合いつけていこうや」ということは割と思っている。声出しがあって楽しいやつ、声出しなくても楽しいやつ、人は様々なので理解したりしなかったりでいいから、せめて自分だけの音楽の掴み方は忘れないでくれよという話。
個人的な感覚を言う必要はないのかもしれないが、客としてライブに行く時に別に音楽でぶち上がるのに声を出す必要が元々そんなになかった。今もそう。
せいぜい良い曲が終わった時の「ヤー!」という歓喜の声くらいである(恐らく僕は「ヤー!」と言っている)
なので新規感染症時代も結構ライブ行ってたけど特に楽しさが目減りした感覚がなかった。酒飲んで、踊って、ヤーだけは言わない(恐らく僕は「ヤー!」と言っている)
この自分だけの音楽の掴み方を一人一人がすればよいのだ。
「ヤー!」でなくて「フー!」なのかもしれないし、ステージ上のメンバーの名前なのかもしれないし、何も言わずに泣くだけかもしれない。僕はヤー。
声出しがしたい人もいれば、したくない人もいて、その度合いも人それぞれだ。音楽って超楽しいんだから楽しみ方は自分で決めなよという話。
どうやら声出しが再び許容される時代になるらしい。それはまあいつかはそうなるよねという話なので、一定のルールの中で、自分が一番楽しいやり方を見つける、他の人には他の人の楽しいがあるのだと知る。全部を平和にするのは難しいんだけど、想像できた方が人生は豊かになるよ、多分。
さて引き続き長くなるが、今度はステージ側目線の話になる。
ここ数年声出しがなくて自分の立場で助かっていたのは、
「余計ないさかいが起きづらい」
というのがある。
例えば隣が周りがうるせえってことがあんまり起きない。これはこれで平和。こちらもめっちゃ楽よ。
「ステージの音楽をじっくり聴けるじゃん。こんな楽しいライブなくない?」
そう考えた人もきっといたと思うし、そういう人は声出しがOKになる流れに名残惜しさを感じているだろうと思う。
じゃあMC中の笑い声や曲終わりの歓声(僕でいうヤー)からなにから全部嫌ってこともないだろうから、その人も新しい時代をそれなりに受け入れるしかないのかなと思う。
つってもじゃあうるせえやつが悪なのかというと別にそこまで思ってはなくて、まあよほど酷ければつまみ出すかくらいには思うけど、楽しくてやってんだから多少はいいんじゃないのと思うし、片っ端から禁止禁止としてたらそれはそれで音楽はつまんなくなると思うよ。
そもそもなんでそいつがうるさくなったのかというと、「なんかライブはそういうもの」みたいに教えた誰かがいるんだと思う。だから客のせいじゃなくて文化とか、別の誰かの入れ知恵なんじゃないのと思ったりもしている、というのは余計な想像だね。
昔から合唱だコールアンドレスポンスだみたいな演出を見るたびに
「客に歌わせんなよ、お前が歌え」
というのは客としてずっと思っていた。ロックがそういうの無いところだったのに、いつのまにかロックとされるところもそんなのばっかりになっちゃった。
なのでまあ、みんなでなんでもかんでも声を出していくのが一番いいライブなのかというとそうは思わないっすね(ヤーとは言う)。
ということで声出しがなかったことで余計ないさかいが起きづらかった時代も間も無く終わりを迎えるらしい。
それでもうライブに来なくなる人だっているのかもしれない。
でもまあ、ある程度は仕方ないことだから、どの立場を取ってても「いろんな人がいるよね」という視点でものごとは見た方が人生豊かになれるよ。
せっかくライブなんていうこんなに楽しい空間が許されてるのだ。客、ステージ、運営もみんな一生懸命で考えていきましょうよということを、切に願っています。ヤー。
ということで。
4月からの全国ツアーでは我々のライブでも声出しがOKになるらしい。これは世の流れなので逆らいたいとは思わない。発声無しLIVEみたいなのはやりたいけど。
転換点ではあれど、結局いい音楽がライブにはあるよね、というのは圧倒的事実だと個人的に思うので、まあみんな色々あると思うけど懲りずに来てくれよ、と思っている今日この頃である。
音楽って、ライブって、本当にかっこいいよなあ。
ヤー。
それではまた。小生田淵がよく喋る2023年1月 2023.01.22 UP
2023年のユニゾンが始まった。
9枚目のアルバム「Ninth Peel」が4月12日に出る。
そしてツアーに出る。
ツアーは2回にわけて全国を2周する、4月〜6月と、11月〜12月。
これで2023年は終わり。わーい。
先があるっていいね。
アルバムについてはこれからインタビューとかで聞かれて頭を整理していくのかなと思うので、特にこれ以上言いたいことはない。まあいい曲いっぱい作ったよ。
そしてCDの初回盤を買うと昨年のスーパーいいライブだったfiesta in chaosが、限定生産版は同じセットリストだけど青森の激アツライブハウスでやった我々が見れる。いいツアーだったからちゃんと記憶に残して欲しいんだよな。
はっは、CD買え。
全国ツアーに関してはアルバムツアーを2回やるというのを先に発表したかったのが大事なところだ。
ロックバンドが今一番いいライブをすることを目的とすると、そのためには必ずしも新曲が必要なわけではない。となるとアルバム全曲やらなきゃいけませんというのはちょっと矛盾するんだよね。
ツアーが2回あればなんとか全部演奏できるっしょ。そんな軽い気持ちで今年の計画を立ててみた。まだセットリスト完成してないけど。
ファンクラブなぞに入る物好きには「家の近くの公演は1ツアー1回当てる」ということを今回は2ツアー共にできる限り達成すべく頭を捻る。昨年の反省も踏まえよりベターな形はないか、考える。
という感じ。説明できてないとこもあるかもしらんがそもそも情報としてむちゃくちゃ一気に出ただろうからそれしゃぶるように見たり聴いたりしてなよ。
アルバムは4月12日発売ね。ツアーもチェキチェキ⇒https://unison-s-g.com/ninth-peel/tour.html
ということでここからは年末年始しばらく話せてなかった分の話。
我々のライブを作ってくれているイベンター、VINTAGE ROCKと新しいライブ企画「VG」を始動させた。
3マンライブをライブハウスでやる。そういう企画。
やはりライブハウスに人が集まっているのはいい。
そこでロックバンドの凄みを体感したり、予期せぬ出会いがあったり、わけわかんなすぎて爆笑するのも、なんか色々いい。
そういうのが多分我々は人より好きで、だからバンドをやって、いまだにステージにいるのだと思う。
時代は変わった。音楽衝動をぶつけてはしゃぐにはバンドを組んでライブをやる以外にも沢山選択肢が増えた時代だ。バンドを組んでライブをやるというが一体どういう意味があると思われているのかも、やる人がどんな気持ちでそれを選んでいるのかも、ネガポジ関係なく正直知る由もない。
時代は変わった。沢山どころではないバンドの数が一同に集まり一日中ライブが行われる大型イベントが全国いたるところで開かれるようになった。沢山の音楽が溢れて幸せになれる天国の様なイベントで、音楽シーンの年間スケジュールすらもそれを元に示し合わせたように決まっていく時代が訪れた。
つまりは、
音楽なんて生業は早く有名になるぞレースなので
ライブハウスみたいな小さなところでライブを続けたり体感したりするのはコスパが悪いので必要性が薄い。
そうか?
大型イベントに行っておけば1度に沢山のバンドを見れるので
ロックバンドを沢山知れる。
そうか?
本当にそうか?少なくとも僕は全くそう思わん。別物すぎて笑いが止まらん。
どれだけ大型イベントが音楽の歴史に意義があって素敵だったとしてライブハウスのイベントが減っていいわけがない。
そこじゃないとわからないロックバンド体験があるのだ。以前から言っている「ロックバンドがきちんと届くのは2〜3000キャパのホールがせいぜい限界」というのもここから繋がっている。
あとライブがちゃんとできるロックバンドはそこでしっかり経験を積み重ねなければ生まれないというのが僕の持論だ。
この法則から外れているバンドを僕は今まで一つも見たことがない(未来のことは知らんが)。
つべこべ言わず来てみろ。
そういうことをもう言わないといけないんだろうなあと思って、できる限りやってみることにしたよ。ってこれまで数多のロックバンドがやってきたことだから、何を今更な感もあり恥ずかしさもあるのだが。
3マンライブだとなかなか儲からないし、東京以外でやるのがこれまた収支的に難しいので、意義深く続けるためには考え続けなければいけないのだけど。
まあ我々はロックバンドと楽しいライブがライブハウスでできればそれでいいや。
ということで、今年も派手にやる。
アルバムと2周分の全国ツアーが主だった本筋だ。
派手にやるぞ。
それではまた。小生田淵がよく喋る2022年12月 2022.12.03 UP
fiesta in chaosツアー、ひとまず終了。
追加公演はあるにはあるが、元々計画していたものは終わった。
なかなか行けないところにも行けて良かった。それでもまだ行けてないところがあるので考え続けなければいけない。
そしてこれをもって2022年の我々の計画は全て終了である。
まわりくどい言い方をしても誤解を生むので、要するに今年は年末年越しの企画は無い。
理由をまとめだすと色んな角度の話になりそうなのですまんが割愛させてくれ。
ため込んだ気力はきちんと来年に向かっている。かなり楽しそうなことになってるよ。
といいつつちょっと一息つくのでちょっと待ってね。
しかし年内はまだライブがある。
大型イベントもあるけど、緑黄色社会のイベント、My Hair is Badのイベントがあるのもとても嬉しい。
ライブハウスの2マン3マンのイベントは本当にいいよ。みんな行った方が良い。バンドのライブって楽しいんだよ。
どちらのバンドもバンドの核がはっきりしてるから役目の果たし甲斐がある。先に演奏できるというのも呼ばれたイベントの良いところだな。
やっちゃおう。
そして来年も早々に面白いイベントが決まった。
https://event.spaceshower.jp/liveholic/rbd/index.html
(コメントあるの)
こういうことを考えてくれる人がいないともう僕の知ってたロックバンドというものは文化としてそろそろ終わるよ。
終わっても別にいいんだけど、まあ諦めないで生きるのも結構楽しいんだよね。
ライブがあり続けるのは本当に楽しいな。
一つ一つ丁寧にもらいながら2023年の準備を続ける。
それじゃあまた。小生田淵がよく喋る2022年11月 2022.11.15 UP
※現在開催中のツアーについて言及しているところがあるので、まだ見てないやつは気をつけて。
2023年1月10日、fiesta in chaosの追加公演を東京で開催する。
一つ前のブログで「FCへのツアー1公演につき1回の当選を確約というのを適用しないツアーである」という説明をした。
キャパシティ的に大都市近郊の倍率がまあまあ高そうという予感があったからだ。2022年はもう一定の規模の全国ツアーは7月からのkaleido proud fiestaである程度果たしたということにして、行けなかったところに行くというのが何よりの目的とした。なのでそれ以外はそこまで気にしないという落とし所でしかツアー行程を設定できなかった。
そこが主な理由で、それ以外にも色々な思惑があって追加公演的、という書き方をしたが今回はシングル「カオスが極まる」を中心としたツアーだ。それが一番輝くようにセットリストを長い時間をかけて整えていった。kaleido proud fiestaツアーでやった曲たちで構成できるように頭を捻り続けたが、何にせよ今回も自分の哲学基準をしっかり満たすセットリストになったと思う。
今回もロックバンドが存在するステージがあってよかったと万感の思いでライブを続けている。
そのまま今年を駆け抜けて終わり、で良かったのだが案の定見れないやつが出てきた時にどう考えるか、というのも頭の片隅ではずっと考えていた。いざツアーが始まってからスタッフと沢山のブレストと意見交換と気まぐれがあってこんな感じで着地と相成った。
言い訳じみててすまない気持ちもあるが、
要するに。
2023年1月10日、fiesta in chaosの追加公演を東京で開催する。
どうしてもチケットが当たんなかったやつ、気を利かせてまだ見てない人に譲ってくれたやつ(感心するね)、すごいツアーなのでもう1回見たいやつ、最近知ってライブに興味を持ったやつ。全員来るといい(あまりそう)。
ライブを見ないと完成しないのがロックバンドだ。手軽に聴ける音源の確認作業だと思って生きてると勿体無いし、痛い目見るぞ。
それではまた。小生田淵がよく喋る2022年8月 2022.08.14 UP
とても楽しいkaleido proud fiestaツアーである。
とかヘラヘラやってる間に新しい情報が出たのでこんにちはである。
2022年10月19日にニューシングル「カオスが極まる」をリリースする。
そして7月からやってるツアーの追加公演的な位置づけになる「fiesta in chaos」ツアーをやりながら年末まで進んでいく。
またなんかすごい良い曲作れたなあという感覚で、いよいよもって先行シングルも貯まってきたしアルバムの骨子も自動的に固まってきた様な。
まあ「カオスが極まる」に対するあれこれはこの後ちょこちょこやっていくインタビューとかで話してまとめていくと思うので多くは語らないとして(取材は頭が整理できるので良い)
本日のトピックは下記。
●「カオスが極まる」をCDで買った方がいい理由
・カップリング「放課後マリアージュ」も普通に良い曲なので 他
●ツアー「fiesta in chaos」に来た方がいい理由
・ロックバンドのライブは生で観ておいた方がいいので 他
●ツアー「fiesta in chaos」に別に来なくてもいい理由
・今回のツアーはFC一人一公演の確約はしないのだが 他
この辺りを話していく。
ではこんにちは。
●「カオスが極まる」をCDで買った方が良い理由
サブスクリプションで音楽をリリースするということは当たり前になり、我々もいつぞやから流れに乗っかっている。
CDというものはすっかり時代遅れのものになり、音楽を聴くための行動とはかけ離れたものであってみんなそれは認知すべきだと思う。
しかしCDは買ってもらった方が良い。喜ぶ人が多いからだ。(一応私も)
シングルにはカップリング曲というものが存在する。我々は前作「kaleido proud fiesta」からカップリング曲をサブスクリプションでは公開しないということを決めた。
これは別にどっちでも良かったんだが、サブスクに置いたってどうせ聴かれないし、別に聴かれなくてもバンドの歴史には影響ないし、じゃあこれをCDという物体を彩る道具として考える事にした。
これがやってみると不思議と発見があるもので、「ナノサイズスカイウォーク」という前作のカップリングをライブで演奏したりすると
「ああ良い曲だな、けどこれ誰も知らないんだよな」という気持ちになって、ライブでやってるとすごい楽しい。
そういうよくわかんない思考を振り切るとCDを買われたい理由になる。面白い。
ということでまあ今回もCDを買うといい理由の中に「全然知られそうにないんだけどすごい良い曲」を入れておいたよ。
+++
”放課後マリアージュ”
思い出たちのライブラリ いつでも見つけられるように
手間暇かけてるんだから とやかく言わないで
朝までまだ時間がある 大事なやりとり重ねて
長電話もありにしよう 離れてもマリアージュ?
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良い歌詞~~~
そんでもってそれにMVがついたら更に買った方が良い理由になるんじゃないのと思って、MVも作ってみた。全然知られないのに。ウケる。
撮影はもう終えてるんだけど、とても面白そう。
もちろん「カオスが極まる」のMVも付く。なんとかyoutubeに出す前に物好きが先に見れる権利を与えてやりたいもんだね。
あとはめちゃくちゃいいセットリストだったfun time HOLIDAY8のライブCDか。
まあ多く聴かれた方がいいものはちゃんとインターネットに配置しておくから。それだけ聴くも良し。
ただお金を出して物を買うとよりいい思いができそうだね。
はっは。
CD買え。
10月19日発売。
●ツアー「fiesta in chaos」に来た方がいい理由
併せて10月から始まる全国ツアー「fiesta in chaos」が発表された。
全国11本という普段から考えたらだいぶ少ない本数なんだがそのカラクリを話すと、元々2022年のツアーは年内ずっとやってようやということで組み始めたツアーだったように記憶している。
つまり7月からやってる「kaleido proud fiesta」ツアーが年内いっぱい続いて全国を回るのかなというイメージだった。
しかし10月にシングルが出るということになった。
あれツアー中に出ることになるの?そしたらどうする?7月から新曲としてセットリストに組んでおく?(脳内喧々)
いやそれはないだろ。そしたらリリースを挟む感じでツアーを2つにわける?(脳内諤々)
これを採用することにした。
しかしそうなるとこの後半のツアーに切れる本数が結構限られてくるので年内で終わらせるとなると全国を回るぜというほど大層なツアーにならない。というか大々的な全国ツアーを立て続けに2本というのはちょっと我々のキャリア的なことを考えると追いつかない何かがある(何とは言わないが)
じゃあ追加公演的に捉え直してシングルリリース挟むタイミングでツアーの様相を少し変える感じにするかと思い構想を進めていった。
なのでまあ2022年のシングルツアーが続くよという感じなので我々の心持ちはそんな感じ。ただステージに行ってでかい音で好きな曲を演奏するだけ。
君に対して言えることと言えば、ライブがあるからには来た方がいい。
ロックバンドの2022年最新系が聴ける。サブスクやyoutubeや大型イベントなどでは味わえない体験ができるのだ。
我々のバンドも良い感じに時代に遅れてきたので、念押ししてどこかの物好きがちょっとでも来ようと思うのであればこれは言い続けていくつもりだ。
体験しないで知った気になるのはもったいない。ロックバンドのライブは思いついたら行っておいた方がいい。
特に今やってるkaleido proud fiestaにツアーに日程的に来れなかったり、近くまで来てくれないから行かなかったというやつは来た方がいい。
ロックバンドの2022年最新系が(以下同文)
そう。今回はkaleidoツアーに来れなかったやつのための公演でもある。
よってファンクラブ先行に関して「1人1公演はなるべく当てる」というルールは適用しない。
次の話に進む。
●ツアー「fiesta in chaos」に別に来なくてもいい理由
ちょっと物騒な言い回しで見出しをつけたのは上に書いたファンクラブ先行における今回の決めごとに対する説明をつけるためでもある。
毎度ファンクラブのことなんて知らんわというやつには関係ない話で申し訳ないが(気にせずライブに来てくれ)、自分の責任としても設定している大事なルールに関わるところなので丁寧に咀嚼して折り合いをつけないと自分で納得ができないので説明できるところまでは持って行っておきたいものなのだ。
我々の全国ツアーにおける決まりごと(?)みたいなものとして
・FC会員は1年のうちの1ツアー1公演、家の近くのところに応募すればチケットをなるべく確約する
・セットリストは全公演変えない
というものがある。一つ目についてはバンドとして年会費もらって提供できる最大のことといえばそれを置いて他に無いからである。
各土地の会員数を把握して適切な会場設定をすることが可能になった。
そしてなるべく細かく回ることを目指している。でかすぎる会場は音楽にあまり向かないので大都市でパッとやって終わりというのは個人的に反対だ。
大都市においても適切な会場規模を優先するためにその土地に住む会員の人数を把握することはとても参考になる。
そして二つ目、我々が一つのツアーを同じセットリストでまわるのは理由がいくつかあって、その中の一つが「土地ごとに日替わり曲みたいなもので差をつけたくない」というものである。
「私もいかなきゃ!」と遠くから何回も訪れる可能性があがってチケットの倍率があがる恐れがあるからだ。
ある都市での公演というのはその土地の近くに住んでる人に会いに行くからいくのであって、そいつがチケットが買えなくなる可能性があがるのは本末転倒だ。
もちろん日程的に行きやすいからということで遠出をしたり、同じセットリストだけど何回でも楽しいという人もいるだろうと思う。人生を彩るには素敵な心がけだ。僕もよくやる。
だから行きたくて応募したら当たったとか、チケット余ってたから旅行の計画立てて行ったとか、そういうのは大いに賛同するし、止めないので気後れせずgoである(goである)
とはいえこちらとしての心構えはいつも一緒である。
特に今回のツアーでkaleidoツアーで訪れていない青森、熊本、沖縄に関してはその県に住んでる会員が応募すればほぼ確実に当たる様に設計する。
kaleidoツアーに参加をしていない該当県在住者に関しては確実に当てる。
できればその隣の県でまだライブをやってない土地に住んでるやつもなるべく当ててあげたいが、数字を見つつ。
そして追加公演というのは「来れなかったやつのための公演」ということでもある。
ファンクラブに入っていないやつに対してもこれはもちろん言えることだ。
今のキャパ設定で地方公演が売り切れることはそう無いだろうが、主要都市となるとまだ少し倍率は高いのかも知れない。
適切に数字を見ながらであるがなんとかまだ来れてないやつになるべく当たる様には考えておきたい。
となると、どうしても既にkaleidoツアーに来ているファンクラブの人間が割りを食うことになってしまうかもしれない。
特に謝るとかそんなわけでもなく「そういうことなんで、一つ頼むわ」という心持ちである。
もちろん応募はしたらいいし、当たったら来たらいいと思う。
「田淵がこう言ったので」という拡大解釈をして無理して見送る必要もなければ、それぞれの正義を気取って他人を監視したり文句を言うのもセンスが無い。
来たかったら行こうとする、それでいいじゃない。売り切れてないから行っちゃおみたいなのもいいじゃない(いいじゃない)。
ロックバンドはいつだって楽しいので余計な気後れは要らないじゃない(要らないじゃない)。
本当はセットリストを変えない方が筋なのかなと思いもするんだが、まあここは自分の好き勝手に振る舞わせてもらう。ロックバンドなので。
とはいえなんか構想ごと変えまくって「新しい俺たちだ~~!」というつもりはそんなにないので、良い塩梅に着地するよう結構頭をフル回転させている。
だってfiesta in chaosだから。ツアー名似てるのよ。
なので来れなくてムキーとなんなくていいよ。どうせ来年もツアーやるんだから。
お互いちゃんと生きてりゃロックバンドは当然の様に君の前に現れるのよ。
まわりくどい言い方になってしまったが「行った方がいい理由」も「行けなくてもいい理由」を君なりにかみ砕いて判断してくれ。
2022年の我々は頭から最後までずっと強い。
ということで新作も出るし、ライブも続く。
最後にまた余計なこと言うけど、相変わらず物騒な感染症の世の中である。何が物騒って人それぞれ色んなこと言い出すから物騒だよね。
まあ色んな人が色んなこと言うのはこの際しょうがないから、君が何だろうが別段興味が無い。
とはいえライブとなれば一定の人数が集まって一つのことをしなければいけなくなる。となれば「まあこういうルールにしたからよろしく頼むよ」という指針が必要になってくる。
国とか役所のガイドラインがどうとかそういうことじゃなく、この指針に向かってやりましょうやということを言わなければいけない立場なのである。
そりゃ赤の他人に一々言うのはこちらも骨が折れる。しかしこちらも責任をもってやる覚悟があるので骨くらい折らないといけないのだ。
この新規感染症対策の基本は「喋らない」ことだとは再三言っていて、僕のスタンスはここ2年半ほぼ変わっていない。
咳だくしゃみだは置いておいて、ウイルスを持っている人が喋るからうつる、喋らなければリスクは下がる。ここが基本事項と思っている。
とはいえ喋らないというのは生き物的に難しすぎるのでここに換気だ距離だマスクだがくっついてきてリスクをおさえたり下げたりしていきましょうねと、そうやって段階的に考えることができればそんなに窮屈に感じすぎなくても外に出れるし、楽しく生活はできる。
色んな形でみんなトライしたりなんなりしていて選択肢も増えてきたが、我々のライブに関しては「まあ、でかい声でしゃべんないでよ」という指針に基づいて引き続き進めるつもりだ。
会場に入ったらね。あとは自分で考えて。
もちろん絶対なんてことはない(おまけに手強い)ので病に倒れる時は倒れる。そしたら責任など感じずに素直に休む。
生きて帰れたらまた元気に生きる。実に単純ではないか。
楽しく生きれる気がしてこないかね。
まあ私も流石に逃げ切れなくないかこれと思いながら生活しているけど、楽しいことを考える思考は1ミリもぶれてない。
そろそろ来年の計画も見えてきたよ。
それではまた。小生田淵がよく喋る2022年7月 2022.07.06 UP
kaleido proud fiestaツアーが始まる。
ロックバンドはアルバムを作って全国ツアーをやって、飽きたらアルバムを作って、というサイクルで回っていくのだと思っているのだが、全国ツアーのタイミングの直近のリリースがシングルだということが時にある。
ということで今回は「kaleido proud fiesta」のシングルCDツアーに結果的になりそうである。
そのカップリングである「ナノサイズスカイウォーク」もサブスクにないので全然聴かれてないだろうがとてもいい曲なので多分やる(CDに入ってるよ)。新しい曲をやるのは楽しいからね。
となると、それ以外のセットリストに関しては全くもって自由度が高い。
人気曲を上から順に、みたいなバンドもいるかもしれないが我々はそんなもん知ったこっちゃなく、その時に一番楽しめるセットリストを磨き上げてやる。
幸いキャリアにおける大体の曲が今も古びることなく演奏できる。(これまで度々話している”新曲本当に要るのか問題”にも関連する)
そして我々にはセットリストの才能がある。
いつからか我々の強みはそこにあると思って突き詰めてきたつもりだ。
まあライブで何の曲をどうやるかなんてのはそんなもん考え方は人それぞれだろうし、正解なんかなくていいんだけど
そこに時間と命をかけてる自分は結構好きなので、そこには自信を持って今日までやってきている。
このキャリアになるともう多くの人に認められたいとか思ってないし(昔からだけど)、自分たちの楽しいことを最大限やっていくための残りの人生なので
誰かから見て不思議に見えようが、滑稽に見えようが、時代に遅れていようが楽しいセットリストを考え続けるのが飽きない工夫の一つだと思う。
そう。時代に遅れている、という話をする。
今回のツアーのセットリストも実に楽しいものができたことに紐付けて。
セットリストを先に知ってからライブに行きたい、という人がいることをこの間耳にした。
あらかじめどの曲をやるのかを予習しておいて、全部知ってる音楽が流れる時間を過ごしたいと、そういうことなんだと思う。
なるほどとても合理的。今は情報もコンテンツも溢れまくってて消化したい情報が昔より段違いに多いだろうし、ハマるものの出会い方もきっと変わっているんだと思う。
そういう人が確かにいて、もしかしたら結構多いのかもしれないし、今後多くなってくるかもしれないというのが今の時代というやつなんだろう。
時代が変わればいろんな人も出てくるよねというのは思考に織り込んでいるので、どんな人がいてもいいと思ってはいる。
しかしこれに関しては耳にした時正直結構ショックだった。
ロックバンドのライブを知ってる曲確認大会と捉えられるのであれば、僕の音楽へのこだわりは半分くらい消滅する。
誤解の無いように強調しておくけど、別にそういう人がいたって良い。きっと昔だってそういう人は沢山いただろうし、人は自分の気持ちいい方を選択して豊かになっていくのだから、自分が楽しいと思えるのならそれでオッケー。とても素晴らしいことである。
ただ選択肢も同時に沢山あるのだということも忘れられないためにはあえて喋るしかないと、最近特に思っている。
そんなことを強引に一人の目線から喋ってみるべくこれを書いている。
1から10まで知ってる曲が聴けて嬉しい。それだけがライブの醍醐味か?
それだけではない楽しさがロックバンドのライブにはあると思っているからこれを書いている。
よく言われるライブに向けての予習とか、再三言い続けて来たことだけどライブの楽しみ方ってなんなのかみたいなことを引き合いに出しながら話を進める。
そもそも皆が何を持って予習と言っているのかは人それぞれあるだろうが、その中にライブのお約束を知っておきたいとか手拍子やかけ声を合わせたいみたいなのがあるというのは知っているつもりだ。
みんなで一緒のことをする楽しさに喜びを感じる人がいる。それはよくわかった。
ただそうじゃない人もいる。
全然知らない曲だけどずっと踊れたとか、凄すぎて身動きできなかったとか、元々知ってた曲がライブで良く聴くと意外なほどにハマッたとか、終わった後何にも覚えてないんだけど楽しかった記憶だけはあって帰り道ずっと興奮してるとか。
どんなことだって最高なんだから、正しさなんかどうだっていい。
ライブの楽しさに「曲をめちゃくちゃ聞き込んで熟知してる」かどうかは別にあんま関係ないんじゃないの、という話を今しています(唐突な指さし確認)。
初めてライブに来たよ、という人が「ライブとはこういうものなのか」と思いながら周りの空気に混ざっていくこともあったかもしれない。
本当はその音楽体験が自分にとって楽しければ形はなんだっていいわけで、自分に合うものを見つけてもらうことがとても重要だ。
だから隣の人や会場の空気なんか教科書にならない、大事なものは自分で見つけてほしいと思っている。
となると先ほど話した現代における合理性の話で「知ってる曲をできるだけ確認したい」というのが仮に時代の流行りだとしても
「知らない曲があった=損をした」という様なマインドは別に無くたってよくない?という問いかけをしたい気持ちにもなる。
個人的な話で言えば
掛け声とか手拍子とか手を上げるタイミングとか、本当にどうだっていいんだよ。それはずっと言ってきたつもりだ。
それがロックバンドのライブだと思われると、正直困る。
でもこれはここ20年くらいの音楽文化が作り上げた歴史だとも思うので仕方がない。
手拍子しようね、コールアンドレスポンスしようね、タオル回そうね。
みんなで一つになるって、最高だよね。
メディアもステージもそれだけが通過儀礼かのようにやり続けてきた(多分被害妄想もあるけど)
そりゃみんなライブはそういうもんだと思って育つ。
僕はメジャーデビューした頃に出演した大型イベントを見渡してそれに危機感をめちゃくちゃ感じた。そんな世の中になんなきゃいいなと思ってたけど、結果そうなった(これも被害妄想)。
まあ元々世の中というものがそうだったんだろう。自分はそれに馴染めなかった人間なのだ。
ただやっぱりこの業界にまだ残っているからには、流行りは流行りで結構なので、こっちはこっちで100人中1人でもいいから気が変わるような事になればいいのにと、心の根っこで思っている。
性格がひん曲がってるのかもしれないけど、自分の信じる音楽があるならできるだけ試してから死にたい。
誰かの気を変えるというのはもちろん強制的に命令しようだなんて思ってない。繰り返すけどどんな音楽の楽しみ方だっていいんだから、何も否定することはない。
ただその分どんな楽しみ方も肯定できる準備をするために、またしても一人の目線から喋っている。
好きな曲が生で聴けたらそりゃ嬉しいだろう。
けどたまに来る知らない曲があったから何か困ることでもあんのか。
ロックバンドなんてでかい音で聴く時間が楽しかったか楽しくなかったか、それだけでいいのよ。
私なんかはライブを観に行ったらとりあえずずっと踊って楽しくなってきたら酒飲みに行って、終わったらあんまり詳しく覚えてないこともしばしば。
自由でいいじゃん。人と違う踊りだって、棒立ちだって、目を瞑ってたって、なんだっていいんだよ。
予習だかなんだか知らないけど、じゃあ今ツアーの試験範囲はバンドのキャリアとイコール。だから今1から必死に覚えても身体に悪いよ。
生活に沿うように適度に好きなアルバム聴いたらあとはライブででかい音を浴びたらロックバンド体験は十分だよ。
少し偏見も込みで話してしまっているが
どうやらライブは知っている曲を確認するための催し、という考えが時代には合っているのかもしれない、という仮定からずっと思っていることを書いてみています(唐突な指さし確認)。
なのであれば取るスタンスはより強固になってくる。
SNSでもサブスクでもスマホでもキャッシュレス決済でも時代に合わせた方がいいものは合わせるけど
これに関しては時代遅れで全く結構。流行りに乗れなくて全く結構。
別に準備なんか適度でいいのよ。知ってるとか知らないとかどうだっていいから、でかい音聴いて楽しかったかどうかだけおみやげに帰るのもいいじゃんということを強調する。
ということで、ロックバンドがいつもの様に好き勝手に沢山の曲をやるライブが間もなく始まる。
9月までセットリストは全部一緒なんだが、何も知らないで90分過ごしてみてほしいよ、興味があれば。
だからと言ってネットでネタバレやめろとか田淵がこう言ってたとか、しょうもないジャスティス合戦はしなくていいよ。適度な距離感で共存してろ(唐突な平和主義)。
いつも以上にポジショントークが過ぎたが、今回のツアーのセットリストも実に楽しいものができたので最近思っていたことを書いてみた。
kaleido proud fiestaツアーが始まる。なんにせよロックバンドのライブって本当に楽しいから、ちゃんと生で観ておきなよ。
チケットあるぽん
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2207665
それじゃあまた。小生田淵がよく喋る2022年6月 2022.06.14 UP
自主企画ツアーfun time HOLIDAYが終わった。
今回もとてもいい共演者に恵まれた。とても楽しかった。
ツアー始まる前にしっかり書けなかったんだけど、対バンイベントの楽しさをどうにかして知ってもらいたかったし、何より自分たちが十分過ぎるほど楽しんでしまった。対バンサイコ~
ちゃんと受け取って来てくれたやつが何かを発見してくれてたら、何よりの喜びだ。
バンドという生き物の活動というのはユーザー感覚で考えうるものが大体真実であると自分でも思う。
やはりワンマンツアーが確固たる軸としてあり、今の時代は流行り柄この季節は大型イベントにも出たりするよねみたいな感じまでは大体どのバンドにも当てはまるだろう。
で、その先のライブハウスでのイベントとか、今回みたいな対バンイベントみたいなものがその後に付いてくるんだけど、これの認知というか需要というか供給というかが、先のものに比べて圧倒的に無い。これが個人的にもったいなく思うし、正直に言うと悔しい。
ワンマンや流行の劣化版みたいなものとして捉えられている様な気が時々してしまうんだが、そんなことはないと声を大にして言いたい。
音楽生活を彩る上でめちゃくちゃ良い1日の過ごし方だと個人的には思うのである。
もちろん自分の考えはあんまり主流じゃないものだとは自覚しているし、時代が進化していっているのもわかっているつもりだ。
だがこの感覚を無視して置いておけるほど僕はロックバンドを諦めてない。
がんばって予習してきた曲が聴けて嬉しいとか、大型イベントで回収できたとか、そりゃ体験としては十二分に素晴らしい。
ただその先に、そこだけじゃないすごい何かがライブにはあって、対バンイベントにももちろんある。そこでしか体験できない音楽生活の醍醐味だったりする。
時代に合ってる合ってないということは様々なことで考えたりするが、これに関しては合ってなくてもムキになって言い続ける。
言い続けてうっかり気が変わるやつとかが一人でもいるなら、言い続けて時代に合ってないまま僕という人間は終わっていこうかなと思ってきたよ。逆に燃えてくる。
ライブイベント行った方がいいよ。せっかく君はロックバンドを知ってるんだ。
とまあそんなことを思いながらまた先の事を色々考え出したりしたんだけど、まあ楽しくバンドが続けられればなんでもいいよ。
fun time HOLIDAY8、良いイベントだった。また楽しみなライブが続いて、来月からはワンマンツアー”kaleido proud fiesta”に出る。
ライブにしかない事件がある。心して来い。
チケットあるの
https://unison-s-g.com/2021-2022/tour-kaleido-proud-fiesta/
女王蜂
SUPER BEAVER
sumika
TK from 凜として時雨
マカロニえんぴつ
Base Ball Bear
My Hair is Bad
繰り返すけどみんなすごいライブしてるからちゃんと観に行った方がいいよ。
我々のセットリストのプレイリストが出てる。こういうのいいね。
https://TF.lnk.to/usg_holiday8
1,23:25
2,リニアブルーを聴きながら
3,何かが変わりそう
4,アトラクションがはじまる(they call it “NO.6″)
5,メカトル時空探検隊
6,Catch up, latency
7,MR.アンディ
8,夢が覚めたら(at that river)
9,Nihil Pip Viper
10,徹頭徹尾夜な夜なドライブ
11,kid, I like quartet
12,君の瞳に恋してない
今回も天才的。
それじゃあまた。小生田淵がよく喋る2022年3月 2022.03.13 UP
もう3月か。筆が追っつかない。
最近は自主企画fun time HOLIDAYのセットリストを考えていたが、なかなか面白いセットリストができたので今年も我々はセンスがあるなあと一安心である。4月お近くのところ来てね。対バンもめちゃくちゃ良いメンツで楽しみだ。
さて今日は新曲「kaleido proud fiesta」についての話をする。我々のスタンス的な話にも繋がるので結構重要な話。
まず概要から説明する。要点は「4月13日の発売日をどう楽しむか」という話。
だいぶ長くなったので①〜③気になるとこだけ読んで。
①前回のPatrick Vegeeからそうした気がするが今回のシングル「kaleido proud fiesta」はCD発売日とサブスクリプションの公開日は同じ日になる。
②CD初回版に収録されるMusic Videoのyoutube公開はリリース日より前にはせず、少し後にする。
③カップリング曲は今作から1曲収録となり、今回の「ナノサイズスカイウォーク」のサブスクリプション公開はせず、配信販売もない。CDのみの収録にする。
以下各点について話していくが、タイアップという意味では2019年以来のシングルということで、十分空けてもらったのでしっかり気合いを入れて作れたと思っている。前回のブログをはじめ最近色々なところで話している「そんなに新曲って必要なのか?」というスタンスで長期計画を考えているので、シングルリリースが忙しなくないとアルバムの計画がしっかり立てられて良い。
残りは色々な雑誌とかで読んでもらえたらと思う。雑誌は良い。
それでは本題。
①CD発売日とサブスクリリース日が同じ
この曲はCDリリース日と定額ストリーミングサービス・すなわちサブスクリリース日が同じになる。
「そんなもん当たり前だろ」という人が多いと思うが、実は我々には配信販売期も含めて結構な歴史があり、要は「CDを買ってもらえるとやはり嬉しい」という事実に対してどういう形で発信していきましょうかというのをかなり紆余曲折トライしてきたのだ。
その辺りは2019年7月のこちらのブログを読むと少し伝わるかもしれない。
https://unison-s-g.com/blog/member/category/tabuchi/page/3/#978
CDの存在意義みたいなのに関しては世の中的にも自分的にもだいぶ変わってきた思っているが、今読み返しても気持ち自体ははあんまり変わってない。
音楽家として正しく届けるべきだという「純粋さ」を大切にする、ビジネス上の理屈として諦めてはいけない「使命」にこだわる、ユーザーにとっての「便利」をきちんと考える、あとランキングはマジでどうでもいい「マジでどうでもいい」。
その一つ上の2019年8月のPhantom Joke発売に関するブログでもサブスクについての言及があるので興味があれば併せて読んでみて。
そこにも書いてあるが何故紆余曲折あったかというと「CDが売れた方が喜ぶ人はいる」という事は確かにあって、じゃあそのCDを売る努力をしましょう、ということが根本にある。
まあ音楽を売る手段として一時代主流だったもの、というのに過ぎないのだが今のところやはりCDが買われると喜ぶ人はいるという事実は圧倒的にある。
もう市場的に正直先はあんま無いとは思うが(別のやり方を考えればいいだけなのだが)、その中でできる努力は全力でやるというのは意義があるというか、結構楽しめる。
先述の通りユーザーの「便利」を考えれば入り口にする意味でも手軽なところに音楽はあった方がが良い。なのでサブスクだYouTubeだというのはなきゃ始まらないし、発売日と称される日に無いのはユーザーにとってよくない。
これを両立するためにちゃんと考えましょうよというのが①そして②である。次の話。
②CD初回限定盤の話
じゃあCDを買ってもらう努力はどうしたらいいの、という問題。
既に発表があったと思うが今回も特典が色々入る。「買って良かった感」を出すことが今の時代CDの一番の使命だと今のところ思っている。
今回新曲はアニメのタイアップがついているということで、「アニメの1話が出るまで楽曲はどこにも出さず、1話を見た瞬間にCDが買えて、そこでフルサイズが初めて聴けるということにできないか」ということからもろもろの施策協議はスタートした。
つまりは「CD買った方が誰よりも早くフルサイズの楽曲を聴ける」という仕組み。これは昔から考えてたんだけど、youtubeでMVを先にフルで出すのが当たり前の世の中だし、先行サブスク公開とかラジオで「どこよりも早くフルサイズOAだ~!」みたいなのもまあいいんだけど、「発売日に誰よりも早く楽曲の全貌が知れるんだよ」という物好きの喜びを無にしちゃってるのは本当に見逃して良いのかなとはずっと思っている。
実際に協議を進めていって、実現しないものも多々あったがそれは想定内として、いくつか考えた「買って良かった感」の中の一つが「Music VideoはCD買ったやつが先に見れる」というものだった。youtubeは入り口として必要なのでMVは追って公開するが、別に遅すぎなければいつでもいい。
今回はネットユーザーへのアプローチもしたいのでアニメーションMVというのも作品サイドのご厚意で作らせてもらったのだが、凄まじくかっこよくなってあまりにチームスタッフの評判が良いのでこちらも作品に入れる運びとなった。
プラスFC用のアコースティックライブでやった「お人好しカメレオン」もおまけでつけることになった。これは我々のセンスあるアレンジにいたく感動したマネージャーがなんとか形に残そうとデータを残していたというところから始まっているのだが、まあこれは喜ぶやついるし乗っかるしかないか~というほのぼのやりとりで着地となった。こんなの滅多にやらないから堪能しとけ。
ということで、サブスクで聴くのが主流でしょうし全くもってそれで結構なんだけど、CD買うとまあ良いことあるよ、というのをこの内容に込めている。その流れで次の話になる。
③カップリング曲は今回から1曲のみ。今作「ナノサイズスカイウォーク」はCDのみの収録
まず何故1曲にしたのかを説明すると前々から言っている「儀式的にいたずらに新曲を発表するのが果たして良いことなのか」というところにも起因している。
曲を作って入れるということ自体は造作も無いのだが、それが儀式的になってしまうといけない。
既に数多くのレパートリーを持っている我々が最新の渾身の楽曲である表題とセットでいたずらに2曲追加する(おまけにライブでやる優先度は低い)というのがデフォルトになるとユーザーの認知力もだいぶバリエーションでてくるので、知ってる人だけ盛り上がる内輪感と、曲の認知の相対的低さのバランスが悪くなる危険性がある(内輪感と低認知、もちろんどちらも必ずしも悪いことではない)。であれば1曲でバシッと良い曲かます方が意義はでるよねということでその形を提案した。
次にサブスクの有無について。まずカップリングの歴史を遡る必要がある。
シングルを出す度にカップリングが2曲、というのはそもそも業界のビジネス的な風習で形式的になっていった歴史がある、30年前くらいまでは1曲で、20年前くらいから2曲以上が主流になっていったような記憶。
ここに我々の「アルバムに入んなかった曲いっぱいあるし入れよう」というのがマッチしていていたので特に異論無く乗っかっていた。
またシングルCDはアルバムを待ちきれなかった物好きへのちっちゃな褒美みたいなもんだと思っているのでそれくらいの温度感におさまる曲をチョイスしていた。
さて時代は流れ今。サブスクが主流になった現代、バンドも楽曲もただ増え続ける現代においてユーザーの音楽の聴き方は変わったのは否めないだろう。
その中でシングルという作品においては「表題曲1曲しか聴かなくない?」というのは昔より(まあ昔もそうなんだけど)強くなっていると思う。
アルバムでさえ適当に1曲だけ聴かれて終わり、ということが昔より更に増えているだろう。そこに関しては人それぞれだし「へー、気が合わないですね」で終わりでいいのだが、
元々シングル買ってくれた物好きへのおまけだったカップリングに関しては「まあ確かにサブスクにあっても聴かれないよね」というのを思うところもある。
前にも言った通り音楽は入り口に手軽にあった方がいい。聴かれた方が良いからだ。
で、カップリングというカテゴリについてのこの命題に対するロックバンドミドルエイジの僕的な答えを
「僕はめちゃ好きなんですけど、別に聴かれなくていいですし」
としてみることにした。
これは個人的に凄まじくこだわりがあるわけではないし、サブスクにあったらあったで聴きやすい管理しやすいというのもわかるのだが、表明するスタンスのロジック的に一番面白そうだからというのが決定に至るのに一番大きかった気がする。
あと、ほとんどの曲を書いてるのが僕一人というバンドの構造があってこそやって良い施策だと思う。色んな作家の人が書くようなコンテンツであればカップリングだって一人のクリエイターが命を書けて書いた曲なんだから平等に扱ってあげて欲しいと思う。
①の話でkaleido proud fiestaは発売日にサブスクにある。
ではカップリング曲はどうだろう。「別に聴かれなくていいですし」これで行くことにした。もちろん1曲の音楽としてちゃんと作るので、普通に良い曲になるのはセンスがある我々なら当たり前だし、そういうのこそ好きそな物好きがいるのも知っている。
これもCDなんて時代遅れのものを買ったやつへのちっちゃなご褒美だ。それを最大限機能させることにする。
カラオケにせよSNSにせよ大型イベントにせよ、音楽が文化として盛り上がってくれるのはそれで楽しくなる人間が増えるということなので好ましいが、反面「道具として使われる」現象も発生しやすくなる。
これは批判的意味でもなんでもなくて、そういうものだというだけの話。音楽で人が楽しくなってるなら概ね良いことだ。
とはいえ音楽家は道具として使われるために作ってるわけではないので、その先に誰かの心に刺さるようなことがあれば、それが音楽家にとっての本望なんだろうと思う。
ではユーザー側ではなくこちらが楽曲をあえて「道具として使って」みてはどうだろうか。自分が出すCDシングルの価値をより高める道具として。
少し乱暴な物言いに聞こえるかもしれないが、そのための楽曲と捉えるとバンドとしてのカップリング曲の意義が少しアップデートされる感覚があって、制作意欲が上がることに気がついた。
ロックバンド本来の「楽しい事やってるだけだよ」というアティチュードがなんでか鮮明になる。面白い。
ということで我々にとっての新たな試みの一つ目としてリリースする楽曲は「ナノサイズスカイウォーク」という。
「いやぁ~こういう曲、いいよなあ」としんみり思える様なミドルロックチューンである。
歌詞の書き方が昔となんら変わってないのが良い。曲も含めて全然流行らなそうだけど、こういうの好きで結成当初からロックバンドやってたよなあ、みたいな曲。そういうのを用意していくのも今時のカップリング理論なものかもしれない。
+++
けど ナノサイズで飛び回ってく
今をただ生きていく
溢れ出す情報の大気圏を吸って吐いて
ナノサイズで世界を描く 少し間違えてしまったら
君が電子になる!?(”ナノサイズスカイウォーク”より)
+++
ライブでやるのも楽しそう。
何か君が好きそうな気もしなくはないから、自信を持ってカップリング曲としてリリースするよ。
サブスクにはないけど。
はっは
CD買え。
あ、いやいや。まあ買ってくれたら嬉しいけど。
なんにせよすげーシングルができたから、君の好きな方法で聴いてよ。
あと、ライブ来て。
かくして4月13日、「kaleido proud fiesta」を発売する。
それではまた。
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